自分がこの世にこうして存在してるその「存在」そのものが、奇跡であるといわれて、すぐにうなずけるでしょうか。

たとえばみなさんに、十年後はどうしていますかと尋ねます。それなりの答えをされるでしょう。

しかし、百年後はどうしていますかと尋ねると、答えに詰まってしまいます。

同様に、十年前はどうしていましたかの問いには答えられても、百年前はどうしていましたかと尋ねられると、やはり答えに詰まってしまいます。

なぜでしょう。いないからです。自分の存在がそこにないからです。

自分の存在が無いことを前提には、つまり自分がそこにいないことを前提には、考えられないのです。自分がそこにいるから、奇跡が起こるのです。自分がそこにいないのなら、奇跡は起こりません。

もし、奇跡が起こったとしても、自分にはまったく関係のない出来事です。